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日々の雑記

ケーキの切れない非行少年たち

短くてもいいから、読んだ本の感想はどんどん載せていこう、ということで。

 

先日読んだ「ケーキの切れない非行少年たち(新潮文庫)」について。

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これもう、本屋さんの売上ランキングの棚とかにずっとありますよね。

 

これは全人類に読んでほしいと思ったんですが、特に

・自己責任論者

・成功は全て個人の努力の結果であると思っている人

に読んでほしいと、個人的には思いました。

 

私は基本的に、問題の原因を全て個人に押し付ける考え方の人とは相容れないなと思っていて、その考え方は多分高校生くらいの頃からあったとは思うんですが、大学時代に教育について結構熱心に学んでいたことが、その考えを強固にしたのかなと思っています。

というのも、インクルーシブ教育について特に強い関心があったので。

発達障害や知的障害の症例に詳しいわけではないのですが、マジョリティの側が変わるべきということや、人それぞれの個性の差については、世間一般の人よりも理解があると思っています。

 

非行少年(もちろん成人犯罪者も)に発達障害等を抱えている人が多いということは、この本を読む前から何となくわかっていましたが、エビデンスに基づく問題提起を見て、社会の在り方について考え直すべきではないかとより強く思いました。

もちろん犯罪それ自体は悪いことですし、罪は償わなければならないと思いますが、そもそも適切な教育を受けられずに、社会から弾かれてしまった人に対して、自己責任だ何だというのは、理にかなっているのか疑問に思います。

 

そして著者の言葉にハッとしたのは、適切な教育をして非行少年を減らせば、その分納税者が増えるということ。

非行少年1人あたり年間300万くらい税金が使われてしまうらしいです。

 

著者の実際の体験談も豊富ですし、最後には実践的な話もあるので、内容的にはかなり具体性のあるものだと思います。